修論からの逃避

くだらない考えごとは捗るのに、修論は捗りません

canon powershot g9 x mark iiを買いました(研究費で)

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研究奨励金でcanon powershot g9 x mark iiを購入した。

 わざわざ「研究奨励金で」と書いたのは、社会人がよくやる「会社のカネで○○してやったぜ」自慢を私も一度してみたかったから(笑)。

とはいえ、落選した院生たちが調査費の捻出にヒイヒイいっているのに、優雅にカメラなんて買っていいのだろうか…と罪悪感に苛まれた。

 

でもまあ頑張って申請書かいたんだし、用途に「カメラ」って書いて通ってるんだから別にいいか、と思い切って買った。 

 

かれこれ5年、フィルムカメラ(フジのNatula classica)を使っていた。でも最近なんだか1枚1枚が重いなあと感じていた。

 

フィルムカメラの、あの一瞬を閉じ込める力や、その時の空気も感情も永遠になる感じは大好きなのだけど、あまりにもその1枚に想いが籠りすぎていて重たい。これは撮らなきゃ、残しておかなくちゃ、という一瞬や思い出には、あまり興味がなくなってきている。

 

今の私にとっては、ふつうに過ごしていたら忘れてしまうような、無かったことになってしまうような、他人にとっては何の意味もない日常のワンシーンのほうがずっと面白くて、それを軽やかに切り取ってくれるコンデジが欲しいなあと思っていた。

 

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たとえば、駅のエレベーターで前に並んでいた人の楽器ケース。そこに乱雑に貼られたシール。ピストルをかまえているパンダ。この人、これから市民センターで練習があるのかな。そして私はこれから大学に行くところ。

 

そんな2人が東京の私鉄の駅のエレベーターで前後に並んでいる。そのほんのひと時に意味はないけれど、その時間は確かにあった。

 

わたしはその瞬間を切り取って、あとでじっくり眺めたいな、と思う。

 

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たとえば、前を歩いていたおばあさんのセーターの柄がチューリップだったこと。なぜか巾着がヒョウ柄だったこと。私がそれを見て「かわいいな」と思ったこと。

 

おばあさんはまさか誰かが見ていたなんて思ってないかもしれないけど、私は確かに見ていた。

 

そしてきっと、それと同じように誰かが私のことを見ている。「あのTシャツの色、絶妙だな」とか思っている。たぶん。そんな一瞬が街のなかに、人混みのなかに、たくさんあって、そして日常が続いていく。それがとっても面白い。

 

大したことは何も書いていないけど、canon powershot g9 x mark iiはとてもいいカメラです(笑)。それについてはまた今度ゆっくり書きます。

バチェラージャパン2が面白い理由を考えてみる

学振提出で燃え尽き、就活もふるわず、ふと気づいたら鼻クソをほじりながらバチェラージャパンシーズン2を再生していた。

CMなんかで「婚活サバイバル」と表されていて、どんな馬鹿らしい内容かと思ったら(上から目線ですみません)、ドチャクソ面白かった。

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確かにルール上は「女20人で男1人を奪い合うサバイバル」なのだけど、恋の行く末に目が離せない!という訳ではない。

私なりに面白い理由を2つ考えてみたのだけど、まずは没入感かなあと思った。

ありえない設定ではあるが、ナレーションがなく出演者の回想でストーリーが進むという演出のおかげで、なんとも言えない没入しやすさがある。みんな一応一般人だしね。

「あー、わたしこの子の気持ちわかるな~」と、つい自分を重ね合わせてしまうのだ。つまり出来事の当事者、ないし目撃者になった気持ちになる。そんでもって出演者が信じられない行動を起こすと「ハア!?!」とつい感情的になってしまう。

会社や合コンなんかでとんでもない女に出くわす、みたいな感覚に近い。

面白い理由の2つ目、そしてこれが真の醍醐味だと思うのだけど、

感想を女同士でシェアする楽しさじゃないだろうか。

もちろん応援している子はいるし、頑張れとは思うけど、その子が小柳津さんと結ばれるかどうかはぶっちゃけどうでもいい(だって女の子たちが本当に彼のことを好きかどうかわからないし…)。

それよりも、出演者たちが事件を起こした時のほうが圧倒的に盛り上がるのだ。

そいうとき、わたしは即座にLINEをひらいて、女友達に「ねえ、アイツありえなくない!?」と報告してしまう(暇か)。でも、「わかるわ~わたしもそれ思ってた」と言ってもらえると、不思議と日々のモヤモヤがスッキリと消えていく。

シーズン2で具体例をだすと、

「あずあず本当にうざい!こんなヤバい女いるの!?」

「若様が落とされるところを観るのが楽しみすぎる」

「林太郎ってイケメンのポーズしてるだけで中身が伴ってなくない?」

などが最近盛り上がったトピックで、あとから見返して「女って本当に辛辣だなー」とゾッとしてしまった。

そう、これは女同士によくある悪口大会なのだ。男の子には絶対に見せられない、女の醜態。「女って怖えな」のそれ。

辛辣であればあるほど盛り上がるし、それを止める第三者(異性)もいない。その点で、スタジオメンバーの指原が悪口を言うのは正解で、視聴者的にはとっても気持ちいいのです。

今はまだ5話までしか配信されてないけれど、最終回は女友達5人とカクテルパーティーしながら視聴しよう!という話で盛り上がっている。きっと全国各地でそんな話が出てるんじゃないかな(笑)。

 

最後にごくごく私的な感想

5話まで観ても、どこか林太郎に夢中になれないわたしがいます…。

とにかくコメントがワンパターンで「彼女には〇〇という印象を持ちましたね」だけなのがとにかく引っかかるんだよな…。

おまえボキャ貧か!?!感情ないのか!?!と画面のまえでついつい文句を言ってしまいます。今後彼が感情的になることはあるのでしょうか…。

院生カネない問題と「オンナの愛され」について

いくら金がなくとも女であることをやめられないから辛い。 

 

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やれ調査やら学振やらで、月のバイト代が4万円に満たないことが何回か続いた。

おかげで四ヶ月近く美容院に行けていない。
ルミネで買い物したくとも、そもそもルミネに着ていく服がない。というかオシャレな服を買ったところで着ていく場所がない。

あっという間に「キモくて金がない院生」のできあがりである。

まあ、どんなにダサくても論文は書ける。「好きで研究やってるんだからいいじゃん」ともよく言われる。

だけど一歩キャンパスを歩けば、ルミネのマネキンのごとくバッチバチにお洒落な女子大生とすれ違わなければならない(彼女たちは仕送りとバイト代でヘタしたら新卒より懐が潤っている)。

そして土日は、いまや大企業で立派にOLをしているゼミの同期たちと飲まなければならない(「ボーナス一括」の賜物で着飾った彼女たちの隣にいると自分がボロ雑巾に見えてくる)。

いま何が辛いって、今年の流行がノースリーブなことだ。
無論、私はそんなものは着れない。
携帯料金を払うのがやっとな人間が脱毛サロンに行けるわけがないからだ。

自宅の鏡の前で汚いワキを眺めるたびに置いてけぼりをくらった気持ちになる(し、電車でうかつにつり革をつかめない)。

こんなにも、女として綺麗でいられないことが自尊心を傷つけるなんて思ってもみなかった。若干24にして恋愛市場から締め出されるのがこんなにも辛いとは。

そんなら院生やめたらいいじゃんっていうかもしれないけど、これはそういう問題じゃない。

 

「好きなこと(研究)やれてるけどお金がない」と「女だから色々お金がかかって辛い」を同じ問題として語らないで欲しいのだ……。

 

なんでこの世の中には、女であるというだけで乗り超えなきゃならないハードルがあるのだろう、といつも思う。

(きっと何か他のベクトルで、男のハードルというのもあるんだろうけど)

 

そもそもこの世が前提とする女の子はキレイすぎませんか。ルミネの広告も、『ar』に出てくる女の子も。

Twitterで「VIO脱毛しましょう」みたいな広告がよく流れてくるけど、そこまで綺麗にしなきゃダメなんですかね?って思ってしまう。そして内心では必要ないと思いながら、やってしまうのが女なんだよなー。

 

別に汚い私を認めろとは言わない。ただ、「愛され前提」からこぼれ落ちてしまった「ダメな女」の生き場所が今の世の中にないよねっていう気がする。

多肉植物の育てかた本はこれ買うといいよ

昨年の秋に、雑貨屋さんで買った多肉ちゃんを枯らした。

 

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なんの種類かもわからない状態で売られてたこと、ネット上の情報を間に受けて育てたことが原因。枯らした植物をゴミ箱に捨てるときの悲しさったらない。何回「ごめんね、、、」と呟いたことか。

 

もうこんな想いは懲り懲りだ!ということで、信頼できるガイドブックをちゃんと買って、それに則って育てることにした。

 

良い本を探し求めて本屋をまわること数件(文献収集は趣味。院生やっててよかった)。

 

そしたらまあ、多肉植物関連にクソな書籍が多いこと。ファッション感覚で買う人が多いせいなのかな、全く役に立たない。

 

特に、多肉の寄せ植えを特集した本がひどい。オシャレさ重視でほとんどインテリア雑誌。「クリエイティブディレクター」なる「丁寧な暮らし推奨系女子」が書いてる本は大抵使えない。

 

素人が多肉植物を育てる上で何が一番知りたいかって、

①育て方(水やりのタイミング、日当たり、季節ごとの置き場所)

②自分が持ってる植物の特徴(何科か、どの成育タイプか)

③植え替え、交配、害虫対策などのイベント対策

 

これだけなのに、てかもはやそれだけでいいのに意外といらん部分(オシャレな寄せ植えの組み合わせとか、ただの図鑑とか)ばっかりなのが嫌。

 

ひどい本は、例えば水のやり方について「毎日よく観察して、葉がプリッとしてないなと思ったらあげる」とか書いてある。プリッとしてないってなんやねん。だいたいはプリッとしてるわ。

 

あとはよくみるのが「土の表面が乾いたらあげる」っていう説明。

この時期、あったかいから表面なんてあっという間に乾くだろ。問題は中心部なんだよ。初心者ながら「それはなんか違うのでは…」と思ってた。

 

そしたら、良い本見つけました。

鶴仙園・靏岡秀明さんの『これで上手くいく!よく育つ多肉植物BOOK』です。

https://www.amazon.co.jp/dp/407427129X/ref=cm_sw_r_cp_api_i_.gk-AbV1BQCS1

 

靏岡さんはこないだあさイチにも出ていた(みるからにサーフ系)、老舗専門店の3代目店長さんです。

 

たとえばこの本によると、水やりは、「底穴から見えている鹿沼土(乾くと色が変わる!)の色が変わったら、水をやる」って書いてあって、目から鱗。それなら素人でも一目でわかるよね。

 

個人的にもう一つなるほど!と思ったのは、エケベリアの水やり。ふつうは、「ロゼットに水が溜まらないようにあげる」としか書いてないんだけど、この本では、

「水が溜まったら、ストローで吹いて飛ばせばいい」って書いてあって、スゲーー!ってなった。

 

ほかにも夏の日差し対策とか、植え替え方とか、いちいち具体的でいい。わかりやすい。

これ買って、こうやっとけばok!っていう書き方なので、迷わない。

 

あとわたし的には載っている植物の種類が多い(500種!)のと、その分類ごとの栽培カレンダーがすごく細かいのも嬉しかった。

 

わたしの育てている種類だと、他の本ではなぜか違う分類になっていたり、載ってなかったり、で困ることが多かったのだ。

 

でも、この本だと、一般的には「室内でも大丈夫」とされているハオルチアでさえ屋外を推奨してるので、やっぱ住環境が良くないと厳しいんだなーと思いました(ちなみに鶴仙園さんはハオルチアが得意なお店みたいなのでこれはガチだと思う)。

 

よくオシャレショップの店員さんがいう「室内でも育ちますよ〜」は嘘。ベランダなくて日当たり悪い家は無理なんじゃないかなあ。

 

土も何種類もブレンドした方が良いらしく、買い揃えるものがたくさん(でも種類まで指定してくれてるのでほんと助かる)。

 

ちゃんと育てたいならやっぱ頑張んなきゃいけないのね、、、、!と決意を新たにしたのでした。

 

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鶴仙園さんで購入した紅花高砂(マラマリアロゼイフローラ)。白いモコモコのなかに花があるのがソーキュートです。

 

『こんな夜更けにバナナかよ』実写化について

この実写化についてはどうしてもモヤモヤしてしまう。

https://www.google.co.jp/amp/s/m.cinematoday.jp/news/N0100296.amp.html

 

なぜなら、介助者と障害者の関係は、フィクションで描ききれるほど綺麗なものではないから。介助とは基本的に葛藤と矛盾に満ちた行為である(by深田耕一郎さん)。

 

自立生活の場は混沌としている。良いことばっかじゃない。イラついたこと、許せなかったこと、たくさんある。それが介助だ。だから素晴らしいんだ。原作は、それを描ききっていた。

 

大衆向けの映画としてわかりやすくしてしまうとどうしてもそのあたりが伝わらなくなってしまう。

 

そして、2時間の映画で、鹿野さんの成し遂げたことを描ききれるの?という疑問。彼が自立生活の草の根的な存在であったこと、彼の偉業が多くの障害者たちを助けたこと。施設にいた時代から描くとしたら、どう考えたって2時間じゃ足りない。

 

それならいま自立生活をしてる人を取り上げてあげてよって思ってしまう。制度が整ったいま、24時間介助者がいても引きこもる人もいるし、地域格差もひどい。

それを描いたドキュメンタリーのほうが見たかった。

 

【漫画】近藤聡乃さん『ニューヨークで考え中②』/よそ者であり、生活者であることの面白さ


近藤聡乃さん『ニューヨークで考え中②』を読みました(せっかちなので、①は読んでいない)。

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『A子さんの恋人』的な、何気ない会話の面白さをそのまま旅行記にしたって感じ。

そう。わたし、これは旅行記だと思うんですよ。なぜなら近藤さんが、いつまでもストレンジャーとしての感覚を忘れずにいるから。そしてそれがこの作品の醍醐味なんですよね。

 

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「私は移動中の気分のまま、ここに住んでるのかもしれない」

とあるように、見知らぬ土地で、よそ者として感じたことが繊細かつ丁寧に描かれています。

その「気づき」のすべてにしみじみとした味わいがあってとっても良かった、、、、。居心地のいい喫茶店でゆるーく話を聞いてるみたいな感じ。

 

たとえば、ニューヨーカーの旦那さんと口喧嘩になって初めて、「言葉はその人の一部」なんだと気づく。

券売機に日本語の表記がなくて、自分は外国人なのだと思い知らされる。そして、親身になってくれる人(夫)のありがたみに気づく。

なんの変哲も無い毎日の記録のなかに、ストレンジャーであることの面白さが盛り込まれている。ちょっと不思議なバランス感覚でクセになる。

いいなー。なんだか久しぶりに遠くに行きたくなりました。

一つだけギモンに思ったのは、ニューヨーク在住8年目にも関わらず、『A子さん』でローカル情報が炸裂しているということ。ものすごいニッチな店とか出てきますよね。帰国するたびに阿佐ヶ谷とか高円寺とか谷中とかに遊びに行ってるのかな〜〜、、、、。

【映画】「嘘を愛する女」ではなく「クソ女を愛した男」だった

嘘を愛する女」を観てきた。

何かのレビューにも書いてあった通り、本当にただ長澤まさみの美貌をみるためだけにある映画だった、、、、、

 

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なにが一番モヤモヤしたって、主人公(長澤まさみ)が嫌なヤツすぎたところです。

・彼氏(高橋一生)が体調を気づかってくれたのに、「死ぬほど働いたこともないくせに偉そうなこと言わないでよ!」と言い放つ

・自分の都合で社長プレゼンをリスケさせたくせに遅刻。そのうえ謝らない

・捜査に協力してくれている探偵(吉田鋼太郎)に「だから離婚されるんじゃないですか?」と逆ギレ

なんか常にイラついてるんですよね、この女。

プライド高すぎて&仕事が忙しすぎて心が強ばっている、というか素直に悲しめない人なんだなーって思うことにしたんだけど、いやいや、そこまでの寛容さを客に求めるな(笑)。なかには「ああ、バチが当たったんだな」と思った人もいるんじゃないか。

終盤あたりでついに探偵(吉田鋼太郎)が愛想つかして、

「お前みたいな女と5年間も一緒に住んでた男の気がしれねえよ!」

ってブチ切れるシーンがあるんですけど、

そ れ な !!!!?

って超同意してしまって。なんていうかもはやこの映画はこの言葉に尽きるなと。それで満足してしまった………「嘘を愛する女」っていうより「クソ女を愛した男」…………

よく「共感するためだけに映画みるな」とか「共感できないからって面白くないっていうな」うんぬんみたいなことを言いますが、それはわかる。

でもこの映画は、主人公の性格の悪さが過剰すぎて物語に集中できないんですよ。

でも長澤まさみがほんっとうに美しくて目の保養なので、冒頭でも行った通り、それだけを目的にするならオススメですかね。