【漫画】近藤聡乃さん『ニューヨークで考え中②』/よそ者であり、生活者であることの面白さ
近藤聡乃さん『ニューヨークで考え中②』を読みました(せっかちなので、①は読んでいない)。
『A子さんの恋人』的な、何気ない会話の面白さをそのまま旅行記にしたって感じ。
そう。わたし、これは旅行記だと思うんですよ。なぜなら近藤さんが、いつまでもストレンジャーとしての感覚を忘れずにいるから。そしてそれがこの作品の醍醐味なんですよね。
「私は移動中の気分のまま、ここに住んでるのかもしれない」
とあるように、見知らぬ土地で、よそ者として感じたことが繊細かつ丁寧に描かれています。
その「気づき」のすべてにしみじみとした味わいがあってとっても良かった、、、、。居心地のいい喫茶店でゆるーく話を聞いてるみたいな感じ。
たとえば、ニューヨーカーの旦那さんと口喧嘩になって初めて、「言葉はその人の一部」なんだと気づく。
券売機に日本語の表記がなくて、自分は外国人なのだと思い知らされる。そして、親身になってくれる人(夫)のありがたみに気づく。
なんの変哲も無い毎日の記録のなかに、ストレンジャーであることの面白さが盛り込まれている。ちょっと不思議なバランス感覚でクセになる。
いいなー。なんだか久しぶりに遠くに行きたくなりました。
一つだけギモンに思ったのは、ニューヨーク在住8年目にも関わらず、『A子さん』でローカル情報が炸裂しているということ。ものすごいニッチな店とか出てきますよね。帰国するたびに阿佐ヶ谷とか高円寺とか谷中とかに遊びに行ってるのかな〜〜、、、、。