修論からの逃避

くだらない考えごとは捗るのに、修論は捗りません

オーガニック信者は「たまに食うラーメンうめえ」くらいは言ってほしい

 お友だちのお姉さんの話がけっこうショッキングだったので、卒論を放棄(書け)してこっち書きます。

「一刻も早く東京を脱出したい」

 私の友だちのお姉さんが、昨年女の子をご出産されたのだけど、相当なオーガニック信者で、それはそれはもうすごい熱の入れようだそうで。

 まず、肌に触れるものはもちろんオーガニックコットンで、食べ物は基本産地直送。

 まあ、そこまでは分かるんだけど、せっかく購入したマンションの建材が体に良くないとかで、売りに出しているんだそう。しかも東京は放射能に汚染されてるから、一刻も早くここを脱出して、地方に移住したいのだとか。

 移住先もどこでもいいというわけではなく、牛乳とか上白糖を摂らせたくないないから、「学校給食の出ない地域」を探してるらしい。

 どうよ、お姉さんの、この「オーガニック信者」っぷり。一緒に話を聞いていたほかの友人たちはドン引いていたのだけど、私はすこしだけなら分かるかなあ。と思った。

 

オーガニックにハマる心理

 実は最近、私もオーガニックなものにハマり初めていて、少しずつだけどコスメとか集めている。きっかけは「SHIGETA」のBBクリームを使い始めたことだったんだけど、ただ体に悪い成分が入ってないってだけで、ものすっっっごい良いことした気持ちになるんだよね。なんつうか「今日は通勤の前に2駅分ウォーキングしちゃいました!」みたいな。だからまずは、そういう健康的な、偽善的な、気持ちよさに心が憑りつかれるんだろう。

 でも実際、良い成分が入ってるから肌荒れはしなくなるんだよな。そうなると次は、悪者さがしをするようになる。私の場合は、パラベンとシリコン。「これのせいで私の肌は荒れたんだ、こいつらは絶対悪だ」。そうやって、今度はシャンプーをノンシリコンのものに、化粧品もパラベンフリーのものに替えていく。

 私はまだその程度だけど、こうやってどんどんNGのものが増えていくんだと思う。

 そして「今度これを使ったらまた悪くなるんじゃないか」という恐怖心。だからこれって、なんというか潔癖症と同じなんだよね。心なしか完璧主義者の人も多い気がする。

 あと、これは強く言いたいんだけど、オーガニックって知識勝負なところがある。定義とか化学成分のこととか、いろいろ小難しい。それについて書かれた記事とか読むともう、、、すげえ賢くなった気がするのよ。だから、選民思想じゃないけど、少なくとも「私は知ってる」っていう優越感がね、また刺激するのよ。

 

 そして最後。「全能感」。

 これだけ消費者に膨大な選択肢が与えられている時代。みんながレビューやまとめサイトを気にしているなかで、自分には明確な基準がある。そして、これまで全く思い通りにならなかった自分の体が、消費行動一つ変えることで思い通りになる。それがたまらなく嬉しいのだと思う。

 

オーガニック信者は自己満

・偽善的な、気持ちよさに心が取りつかれる

・悪い物質に対して潔癖になる

・知識を得たことの優越感がたまらない

・自分の体は思い通りにできるという全能感

 ↑ここまでをざっとまとめた上で、思うのは、やっぱりオーガニック信者は自己満でしかないということ。

 先述のお姉さんの話に立ち返ると、彼女はオーガニックなものを摂取することがかけがえのない幸せで、生きがいなわけだけど、それが目的になってしまったり、他人に強要するようになってるからよくない。健康になるためのあくまで手段であったらよかったよね。

 子どもを守りたいという気持ちは素晴らしいし、そのためならしょうがないか~と思うんだけど。もうここまでいったら健康を通り越して不健全なんだよな。

 というか、何より、これが一番いいたかったんだけど、その子の人生が最高に幸せかどうかは、オーガニックなものに囲まれることとニアリーイコールではない。あんまり「体にいいこと」に潔癖になっているとそこのところ見落とさないかなと、ほんとに、お節介だけど。

 たまに食べるカップラーメンもうめえよな、、、くらいは言ってほしい。じゃなきゃどんどん孤高の人になっていく。それに人生ってそれくらい雑味があるものだと思うし。