修論からの逃避

くだらない考えごとは捗るのに、修論は捗りません

星野源がただのサブカル男子ではないことを実感した話

 

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先々週、10月24日放送の「星野源のオールナイトニッポン」を聴いていて、彼がここまで人気者になった理由が端的に表れているな、と思うトークがあったので紹介したいと思います。

 というのも、現在大ブレーク中の源さんに対して「なんでアイツあんなに売れてんだ」と疑問に思う人が少なからずいると思うんですね。「サブカル方面に強そうだからじゃないの?」なんて意見もよく聞きますが、それは雑すぎませんか(笑)

 たしかに、いちファンであるわたしもどうしてこんな騒ぎになっているのか事態が呑み込めないとこはあります(笑)なんでこんなに売れちゃったのよ?みたいな。ファンによくあるアレですねww

 でも、ほんと、この放送を聴いて、やっぱり源さんは変わってないし、源さんなりのセオリーをもってして、売れたんだなというのがよくわかって嬉しかったので、みなさんにぜひ読んでもらいたいのです。あと、いま人生に悩んでる人も、元気でると思います。

 

 以下、長いけど、書き起こしです。

 

自分に自信がない、というリスナーからの質問

「私は自分に自信がありません。人との関わりを避けてしまう、マイナス思考でネガティブな自分が大嫌いです。

 だからこそ、源さんを見ていると本当に尊敬するし、そうなりたいと思います。なんで、源さんはそんなに元気で明るくて、何事にも一生懸命になれるんでしょうか?」

 

それにたいする星野源の答え

「自分は人より劣ってると思って生きてきた」

  あ、おれそんなイメージですか?ありがとうございます。

 でもそうだなあ、おれは20代後半くらいまで自分に自信が全くなかったですね。

 たとえば、10代のときって、まあモテたいとか思うわけじゃないですか。でも自分の顔とか、スタイル、あとファッションセンスも、良いと思ったことは一度もないわけです。

 たとえば朝、鏡で自分の顔を見て「変な顔だなあ」と憂鬱になりながら学校に行って、服を着ても「変な服だあ」と思って。「どうしたらファッションセンスってよくなるんだろう」みたいな。

 親からも「あんたはブサイクだし、スタイルもよくないから、人の3倍努力しなさい」と言われながら育ってきたので、まあ自分に自信なんか持ちようがないわけです。自分というものが人より劣っているんだっていうふうに思ってずっと生きてきたので。

 

イケメンを憎んだ20代

 するとそういう想いは悪い方向でルサンチマンみたいに溜まっていきます。それで、おれは20代のときどうしたかというと、まずイケメンを憎みました(笑)

 そういうのって次はだいたい、「カッコいいものってさあ~…べつにかっこ悪いよね」みたいなことを言い出すじゃん(笑)早川義男さんのあの曲はいいと思うんだけど、それに影響されて言い出す、みたいな。

 そういう、恥ずかしいことをやっていたわけです。で、なんか周りに悪いものをまき散らしていくわけ。

 そうなったときに、当たり前なんだけど、やっぱり嫌われていくわけですよ。それでやっと「おれすごいかっこ悪いな」って気付くんです。

 

「俺も悪口言っていいんだ」は大間違い

 でもそれに気付くのにもすごく時間がかかるんですよ。そういう人っていっぱいいるから。たとえば、カッコいい人にツッコんで、揚げ足とって、それで笑いを取る人ってラジオにもテレビにもいるし、しかもそれが自分の心を救ってくれる人だったりするわけだから。それがいいものだと思って「おれもやっていいんだ」って思っちゃうじゃん。

 でもそれって大間違いだから。あの人たちは仕事でそれをやってるわけだから。でも実際、そういう人であればあるほど、素で会うと、すごくいい人なんですよ。そういうタレントさん、芸人さんって。

 でね、仕事じゃなくて、素でそういうことをやってる人って、悪い人がどんどん溜まっていくから、悪いことしか起きないんですよ(笑)

 

かっこ悪いことを「頑張ってやらない」

 それでやっと気づくんですね。だんだんだんだん、ちょっとずつ、ちょっとずつ。

 そのとき僕は何を思ったかといいますと、カッコいいとかさ、自分に自信を持ったりとか、その、いい感じになるには、中身を良くしていくしかないということですよね。ほんと、そこしかないのよ。

 「カッコよくなりたい!あの人みたいになりたい!」って思うんだけど、それになるには自分がカッコいいと思うことをするしかなくて。

 あと、かっこ悪いことをしないっていうことしかないですよ。「これやったらかっこ悪いな、でもやりたくなっちゃうな」っていうことを頑張ってやらないっていう。ほんとにそれだけでいいんだと思うのよ。

 でも「俺はこれを頑張ってる!」って言葉にしちゃだめなんだけど(笑)

 かっこ悪いとか、これは恥ずかしいっていうのを頑張ってやらないっていうだけで、いい人が周りに増えていくから。そういうのって周りは気付きますから。

 そういうのってね、その人の良さとなって、それによって顔が変わってくるんですよ。顔ってカッコよくはなれないんだけど、中身が変わることによってその人が変わるでしょ。で、その人が変わると、その、例えばブサイクだとしても「その人の顔が良い顔」という認識になっていくわけですよ。てなると、その顔がかっこよくなるわけ。造形は変わってないんだけど。

 そうなると、いい人が周りに増えてきて、自然と自分に自信が持てると思います。

 僕が、自分の中で、人より自信のあることは、周りに素敵な人がいることだと思います。ほんとにほんとにそれだと思います。僕の周りは素敵な人ばっかりなんですよ(笑) 

 だから、リスナーさんもちょっとずつやっていくのが良いのではないでしょうか。

 

  これを聴いて、やっぱりわたしは源さんが好きだなと思いました。

 源さんのことを「偽善者っぽい」っていう人がいるんですけど(たぶん「SUN」で売れたことも原因の一つだと思う)、ほんとに、それは違うんですよ。

 「イケメンを憎んだ」とか「カッコいい人の悪口を言ってしまった」とか「自分も批評家ぶって誰かの悪口を言ってしまった」とか、誰にでもある、まっとうに汚い感情で。

 そういうモヤモヤした気持ちを表現するのが本当に上手な人なんですよ。星野源は。それでいて、説教臭くなく、ばか素直にそれを消化していくんですよ。それが源さんの最大の魅力だなと思います。

 そのうえで、彼は、売れるまですごく苦労してきたんだなと、この話を聞くとおもいませんか?「自分がかっこいいと思うことをするだけ」「カッコ悪いことを頑張ってしない」それって結構、大変です。彼は売れるべくして売れたんですね。

 同時に、「人生うまくいかないからって腐ってるといつまでもそのままだよ!」っていうエールにも感じました 

源さん、これからも応援してます。